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tPAがなぜ大事かをまず知ろう

脳梗塞関連のお話の続きです。

今日のお話は研修医や病棟/ERの看護師向けでしょうか。

(救命士さんには常識の範疇だと思うので)

ずばり、

脳梗塞は発症間もなければtPA治療という積極的治療がありますよ、

その効果の程度も大きいですよ

というお話です。

tPAって何?という方はこちら

要は脳血管に詰まった血栓を溶かして、脳血流をまた元に戻そうという治療です。

さて、このtPAに関する知見はこの10年で急速に集まっており、

①発症から3時間以内なら重症度や年齢にかかわらずtPAを

②3~4.5時間は、以下の条件であればtPAを80歳以下+NIHSS≦25+DMと脳卒中の既往なし+抗凝固内服なし+MCA領域の1/3以上ではない

強く推奨する(class 1の推奨

とされています。

3-4.5時間で少し適応が絞られているのは

該当項目があると重大な脳出血のリスクが増えるとされているからです。

「tPA, tPAというけれど、そんなにtPAってすごいの?」という方に

3か月後に症状なし~あっても目立たない(modified Rankin Scale 0-1点)が適正な時間内での投与は41.9%、プラセボは28.9%という結果(Lancet 2010;375:1695)

ざっくりと申し上げれば、

適切な投与で10%強の人の神経予後を改善するイメージ

”tPAが大事なのは、わかった。じゃあ、適切に投与するには…?”

というお話はまた明日以後に!

日々是勉強!

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