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脳梗塞診断を濃厚に味わう…その一歩

皆さん、こんにちは!

茨城:常陸国の田舎か否か、ひたちなかで、

内科救急とベストエビデンスに沿った臨床教育:BEMEを提供している、柴崎です。


さて、診断エラーシリーズもいよいよ最終回。

今日は脳梗塞です!

脳梗塞は私も含めて、一回は痛い目にあったことがあるというDrが多いのではないでしょうか?

過去の失敗経験もあるそんな私だからこそ、今は失敗率激減した、そのコツを今日は皆さんと共有します!


先に今回の要点をお伝えします

・片麻痺のない脳梗塞は見落としやすい:特に感覚(めまい含む)や高次機能

・初学者はCPSSを大事に:特に失語

・失語にすぐ気がつくコツは「でこぼこGCS」

・失語はELVOの話にもつながっていくよー


「え?よくわからないワードが並んでいるな…」

と思った若手Drや救命士の方、この後、必読ですよー!!


脳梗塞の診断って楽勝…とはいえない?

「脳梗塞って、片麻痺できて、突然発症で…。見落としなんてありえなくない?!」

そんな声も一部から聞こえてきそうですが、報告によるとそうでもないようなんです。



脳梗塞の4%程度はERで見落とされる…とのこと。

実際、私のところにも

他院で「気の所為」「歳のせい」と言われ、1日時間がたってしまった脳梗塞は数ヶ月に1回来ますね。

4%という頻度も個人的にはたしかになーという印象です。


…なんて、偉そうなことを言っている私も、何を隠そう、苦い経験があるのですー

そんな私だからこそ、いろいろな経験・文献も用いて

「初学者向け」に脳梗塞診断のピットフォールに特化してお届けしますー。



基本に立ち返り、CPSSを考える

さて、初学者にピットフォールに特化して…というところでお話を展開していきますが、

その大前提になるのが、CPSSです。


「CPSSって何?こっそり教えて!」という方はこちら




もともとは、名前の通り「プレホス」:病院前の、医師以外の人向けの目安なのですが、

これが意外に馬鹿にならないんです!


…というのも…


↑これは、文献によって感度・特異度は変わるので、あくまで1データ(チャンピオンデータ?!)ではありますが、感度はなかなか…ですよね。


ただ、上記にもありますが、

このCPSSはじめ、初学者のピットフォールは

「急な高次機能障害・感覚障害(特に)高齢者」を無視して失敗するだと思ってますー。


この「急な失語を見落とさない」のはすごく大事で…といいますのも…


失語を見落とさない

失語は中大脳動脈:MCAが関係する大事な場所の症状です。

ただ、慣れないと失語って意外に難しい。特に高齢者だと…

「なんか変」くらいで、「でも、歳も歳だし、そんなこともあるよね」ってなりがちです。

(実際に他院でそうなって翌日うちにきた脳梗塞ありました…)


じゃあ、どうやって気がつくか!と言われると、キーワードは「でこぼこGCS」


「失語だけの脳梗塞、別にtPAとかの適応にきっとならないでしょー」という事なかれ!

確かに「失語だけ」であれば、そうかもしれませんが、

+失語が隠れているのを見抜けるのは、ERをやるなら必須の知識!

…というのも、ELVOスクリーンにもつながっていくからです


ELVO:血管内治療の適応となる大血管閉塞ってなんですか?という方はこちら↓


例えば、私が今いる施設ではtPAはしますが、血管内治療はできません。

ので、血管内治療の症例を来院して最初の3分でほぼ確実に見つけて、すぐに転院の準備をする

なんて技術が必要とされます。

その「3分でELVOらしいかどうか」を見繕うのが、ELVOスクリーンというもので…


私達の地域では(も?!)日本医大の先生方が提唱されたELVOスクリーンを使っています。

他にもいくつかの方法が提唱されており、以前私のブログでもまとめましたー

ご笑覧あれ↓



まとめ

みなさんどうでしたか?

今回のお話の要点を改めてまとめますと…


・片麻痺のない脳梗塞は見落としやすい:特に感覚(めまい含む)や高次機能

・初学者はCPSSを大事に:特に失語

・失語にすぐ気がつくコツは「でこぼこGCS」

・失語はELVOの話にもつながっていくよー


是非、みなさんも明日から使ってみてください!

日々是勉強!

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