4.5時間こえてもあきらめるなかれ!血管内治療
今日も脳梗塞急性期治療のお話で、特に血管内治療を。
救命士と研修医向けのお話です。
ずばり、
tPAのリミット:4.5時間をこえてもあきらめるな!
いざ、血管内治療へ!
4.5時間を仮に超えていたとしても、
現時点では
6時間以内の内頚動脈や中大脳動脈の近位部(M1)の閉塞であれば、
血管内治療を積極的に!と日本のガイドラインで明記されています(経皮経管的脳血栓回収用機器 使用適正指針 第3版 2018年3月)
その根拠の1つとしてMR CLEAN trialが有名です
これは6時間以内の脳梗塞でtPAとtPA+血管内治療の、
成績をガチンコで調べた研究です
これによると
積極的な治療しなければ、ほぼ寝たきりになるところ(もともとのNIHSSの中央値17~18点)を
tPA投与で6.0%がほぼ後遺症なし(mRS:0-1)まで回復し、
血管内治療では約2倍の11.6%がほぼ後遺症なしまで回復
∴6時間以内であれば血管内治療に圧倒的な差が。
他にもこんな図があります
N Engl J Med 2015;372:11
*mRSは低いほど後遺症がありません。mRSについてはこちら
ちなみにtPAの土俵:4.5時間以内でも
血管内治療併用の方が神経予後がよいことがわかっています
(SWIFT PRIME trial. N Engl J Med 2015;372:2285)
脳梗塞の急性期は血管内治療ができる病院に!
というのはこの数字からご納得いただけたでしょうか?
じゃあ、さらに。6時間を超えたらあきらめるのか??
いえいえ、まだまだ話は続きます。
明日はこの
6時間越えの太い血管の脳梗塞(LVO)は、さらにまだ戦えるかも?
というお話を続けます。
日々是勉強!