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6~24時間は血管内治療まだできるかも

昨日、脳梗塞の血管内治療のお話をしました。

そのタイムリミットは6時間が1つの目安です。

…が、6時間を超えてもまだまだ戦えるかも?

というのが今日のお話です。救命士や研修医向けのお話です。

ガイドラインをひも解くと…

内頚動脈や近位中大脳動脈の急な閉塞(Emergent large vessel occulusion:ELVOといいます)の脳梗塞:具体的にはMRIにて内頚動脈や近位中大脳動脈M1の閉塞と、実際に脳梗塞で脳細胞が死んでいる範囲をみて、ミスマッチがある場合には、血管内治療を積極的に考慮し、

6-16時間でclass Ⅰ(AHA 2018)、(日本のガイドラインではグレードA)

6-24時間でclassⅡa(AHA 2018)、(日本のガイドラインではグレードB)

となっています。

*ただし日本では 血栓回収機器の添付文書での使用目的は「原則として発症 8 時間以内 の急性期脳梗塞」であり、虚血コア体積および低灌流領域を迅速に計測可能なソフトウェ アが普及していないため、症例ごとに適応を慎重に検討する必要があるとガイドラインでは明記されていることにご注意を

さてさて、脳梗塞でも条件がそろえば=ELVOなら6-24時間でも血管内治療ができうることがわかったと思いますが

では、ELVOをどう疑うか?

論文の研究ではELVO疑いとして

NIHSSが6-10点以上…ということになっていますが、

プレホスはもちろん、非専門医にNIHSSは難しい

…ということで、今日は皆さんにVANを覚えてもらいたいです。

具体的には片麻痺+VANのうち1項目以上該当があった場合は、感度100%、特異度90%でELVOを見つけ出せたとのこと

V:vision=視野異常:視野欠損・複視

A:apasia=失語:運動性失語・感覚性失語

N:neglect=失認:半側空間無視、消去現象

なので、救命士には

片麻痺を見つけたら、脳卒中疑うのはもちろんですが、

視野異常、失語、失認をチェックし、6時間を過ぎていても血管内治療ができる病院に受け入れ相談を。

また、自施設で血管内治療ができないところで働く研修医はじめ救急やりうる医師は、脳卒中疑いの際、必ず電話先でVANを確認して、1つでも該当すれば、6時間を過ぎていても血管内治療ができる病院に打診をとアドバイスがよさそうで

(そのためのオンライン・メディカルコントロール)

VANの具体的な確認の仕方は、また明日以後。

日々是勉強!

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