KYギャップ:めまい編②
- 俊一 柴崎
- Dec 17, 2018
- 2 min read
救命士のテキストと医師の医学書/論文とのギャップ
KY ギャップ?!(管理人:柴﨑の勝手な命名…)
特に今回もめまいについて続きていきます。
救命士向けの内容です。
救命士テキストでは
体動の影響は「大きい」のが末梢性、「小さい」のが中枢性の特徴
とされています。
この表現は慎重な表現をされており、確かに正しいです。
…が、現場のスタッフと話をしていると、この表現を曲解して
「動いて悪化するので、末梢性だと思います」とする人が多いのが実情です。今日はこのあたりの誤解を解いていきましょう。

確かに、この論文でも紹介されているように
体動で極端に悪化(positional excerbation)するのは、BPPVや前庭神経炎の特徴だとはされています
ただ、一方で、体動でめまいが悪化し眼振が出て、末梢性疑い!
とされたけれど、結局、小脳梗塞でした
…という報告は枚挙に暇がありません(1例:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/113/7/113_7_593/_pdf)
実際、管理人もベッド移動のたびにめまいが出て、嘔吐するという症例がヒントになり、小脳梗塞だったというケースも経験しています。(いわゆる悪性発作性頭位めまい症:MPPVだった例です)
なので、
体動で悪化はBPPVや前庭神経炎にとって極めて感度は高いので、
体動で悪化しないのは、BPPV等を除外するのに有用だが、
体動で悪化だから、中枢性を除外してよいという根拠にはならないところに注意!です。
じゃあ、体動でめまい悪化は全く鑑別に役に立たないか?というと、工夫をすると使いどころはあるかもしれません。
具体的には、
(体動の中でも)臥位になるときに眩暈が最も強いというのは
BPPVをより強く疑う所見のようです。
詳細はこちら
いずれにせよ、
体動の影響は、末梢性が大きいというのは概論としては正しい
ただし、体動で悪化だから末梢性と決められるものではない
ということに注意です
日々是勉強!