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搬送姿勢を科学する ~ショック体位の迷信?①~

搬送姿勢を科学する ~ショック体位の迷信?①~

今日も搬送姿勢から。救命士や研修医が対象です。

救命士(研修医の先生も?)は、ショックの時に足側を高くする体位:ショック体位をしなさいと習うと思います。

救急救命士標準テキスト改定第9版でも以下のように記載があります

「両下肢を挙上することで体幹部へ静脈還流を増やして、心臓の前負荷を増加させる」

(1)適応と注意点 

・循環血液量減少性ショックの傷病者

・極度の貧血の患者

(中略)

(3)注意点

静脈還流を増加させるため、うっ血性心不全が疑われる傷病者では行わない

でも、みなさん知ってますか?

足を上げた体位(正確には頭を下げたトレンデンブルグ体位ですが)は

救急領域では,静脈還流が増加し血圧が上昇するとの考えから,ショック時にとらせる体位とされる。そのため,ショック体位として推奨されていた時期もあるが,心拍出量が必ずしも増加せず,脳浮腫の助長や,横隔膜挙上により呼吸機能が低下する可能性も指摘されている

え?推奨されてないの?って驚きませんか?

実はトレンデンブルグ体位や足側高位(≒passive leg raise)はショックでルーティーンで行われることに疑問視がされています。

迷信?とタイトルを打って、今後数回に分けご紹介していきます。

お楽しみに~

日々是勉強!

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