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搬送姿勢を科学する …まずはその前に、前提を

数回にわたって、ショック体位の迷信?をお話していきます。

救命士、研修医や病棟看護師にも知っておいてほしい内容です。

今回は話を始める上での前提のお話から。

今後、Trendelenburg体位と修正Trendelenburg体位や受動的脚挙上(Passive leg raise: PLR)という言葉が出てきます

そこを一色単にすると混乱するので、今日は用語の整理から。

Trendelenburg体位は、仰臥位の状態から頭を数度(wikipediaでは15-30°、文献(Ann Emerg Med. 1985;14:641) によっては10°の報告も)下げる姿勢です。

古典的にはこんな様子だったとか…、決してプロレス技をかけているわけではありません(笑)

一般的にはこのような様子がTrendelenburg体位として知られますね

蛇足ですが、

この体位は第一世界大戦の時の外傷性ショックの時の対応でもてはやされたのだそうで、アメリカの生理学者:Walter Cannonが広めたとされています。歴史は古いんですねー。ただ、この話はオチがあって、数十年後、Cannon自身は(自分で一度は有用性を広めたものの)このTrendelenburg体位の有用性について否定的な見解を出したのだそうですが、こちらはなぜか広まらず…。へー。。( AANA J 1995;63:29)

さて話を戻します。

種々の事情で Trendelenburg体位に否定的な見解も集まりつつもあってか、それを修正したmodifed Trendelenburg体位というのが登場します。

これは頭は下げずに仰臥位のまま脚だけをあげるというものです。

これは受動的脚挙上(Passive leg raise: PLR)や(救命士テキストに出てくる)足側高位と同義です。

明日以後は、Trendelenburg体位やmodifed Trendelenburg体位の効果を少しずつご紹介します。

日々是勉強!

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