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徒然読書感想

今日は番外編:週1回程度、最近読んだ本のご紹介

今日は

大人の発達障害ってそういうことだったのか その後

のご紹介です。

この本を管理人が読み始めたのは、

医学教育を真剣に取り組むようになって、

「ん?!」と思う学習者

平たく言えば、”教えづらいな”という学習者に一定数出会うようになったからです

(かっこよく言うと、”Difficut teaching encounter”というのだそうですが)

勉強してみると、その一因として発達障害がありえると知り、

じゃあ、この本を読んでみよう!となったわけです。

さて、この本ですが、

2人の専門家が対談形式で、かなり実際の臨床に沿って

場合によっては、(なかなか思っていても言いづらいような)

踏み込んだ内容まで記載してくれている本です。

その一端をご紹介すると…

■一般的な傾向

小児:特に教育の現場では、過剰に発達障害と診断している(その診断結果をもって安心する人たちがかなりいるため)

成人:まだまだ認知度が低く、過少診断。

■内科医としていつ疑う?

高齢者の心気症や身体表現性障害では

1度は自閉症スペクトラム(ASD)や(家族にASDの方を抱え込み、二次的に不調を来す)カサンドラ症候群を疑う

適応障害やPTSDの際にも背景に1度はASDを疑う

■確実な診断は非専門にはできないけれど…

確からしさを確かめるには、問診が重要。例えば、学童期なら宿題や忘れ物、偏食など。大学生なら、知的レベルが高いはずなのにゴミ出しができない、驚きの理由で休む、大学院生や社会人では、研究計画書や企画書など細かに段取りをとって自分で計画することができないなど

■接し方のコツ

成人のASDに、個人の世界を無理に広げようと介入するとかえって破綻する(成人教育や高齢者の介護サービス導入などに注意が必要)

自己評価と他者の評価に著しい乖離があるので、厳しく指導しても失敗し、むしろ過剰な反発させてしまう

などなど。

あまり他では見聞きしない内容だったので、

個人的にはとても新鮮な内容でした。

改めて、

部下を持って/教育する立場になって、

教えづらいなと思う人に出会った時、

(決してすべての解決にはなりませんが)新たな視点を持たせてくれる

そんな良書でした。

ご興味あれば、是非ご一読を

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