PLR>Trendelenburg?
- 俊一 柴崎
- Jan 23, 2019
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今日もショックの時に行いうるTrendelenburg体位のEvidenceをみていきます。
救命士、研修医や病棟看護師にも知っておいてほしい内容です。
前回お話したとおり、
Trendelenburg体位は、仰臥位の状態から頭を数度(wikipediaでは15-30°、文献(Ann Emerg Med. 1985;14:641) によっては10°の報告も)下げる姿勢です。
今回出てくる受動的脚挙上(Passive Leg Raise)=足側高位=modified Trendelenburgは、仰臥位の状態から頭を下げずに脚だけを上げる姿勢です。
さて、このTrendelenburg体位などですが、結論からいうと
①ショックの場合でも、効果があるケースとないケースがあるのでルーティーンにやりつづける意義は乏しい
②効果のないケースの可能性として、数分で効果がなくなってしまうことがあるよう
③肺活量の減少や頭蓋内圧亢進の可能性などは指摘されているが、あくまで可能性。15分程度の短時間であれば、大きな問題はないよう
④理屈の上では心原性ショックの時にやる意義は乏しく、逆に悪化させるかも
⑤Trendelenburg体位をするくらいなら、まだ受動的脚挙上(Passive Leg Raise)=足側高位の方がよいかも
⑥近年は、PLRは治療のための体位というよりは、輸液反応性をみるための診察という位置づけが増している
今日は
⑤Trendelenburg体位をするくらいなら、まだ受動的脚挙上(Passive Leg Raise)=足側高位の方がよいかも
を少し詳しくみてみましょう

システマティックレビューでこんな報告があります。
正常体液量、または臨床的に体液減少と考えられる患者にTrendelenburg体位または受動的脚挙上(Passive Leg Raise:PLR)の効果を検証した1960-2010年の過去の研究を集めて検証したところ…
Trendelenburg:頭を下げて1分で心拍出量は9%(0.35L/min増加)した。しかし、2-10分でベースラインの仰臥位よりもむしろ心拍出量が4%落ちる
PLR:足をあげて1分で心拍出量6%(0.19L/min)増加した。その後も効果は継続
とのことです。
これをもって、やるならPLRかもしれないとこの論文では結論づけています( J Clin Anesth. 2012 Dec;24(8):668)
ただし、このレビューは質の高い統合ではなく、
実際個別の報告では
TredelenburgもPLRも一時1回拍出量ふえるが、10分程度で戻る(Intensive Care Med 1996;22:613 )
なんてものもあり、その真偽はまだわかりません。
ただ、あえて行うなら、
Trendelenburg体位というよりは、PLRかな?
が現時点での結論でしょうか。
日々是勉強!