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四つん這いという選択肢?

今日も搬送姿勢に関連してのお話で、

変わりネタ:四つん這いです(救命士向けです)

救命士のテキストに搬送姿勢に四つん這いという記載はありません

(…って、当たり前?)

個人的に今回の勉強をしていくにあたって

四つん這いという姿勢も意外に捨てたもんじゃない

ということが分かったのでシェアします。

前回、COPDでのtripod positionは

確かに腹横筋や内腹斜筋などの呼吸補助筋の活動が有意に増え(Respiratory Physiology and Neurobiology 2017;238:14)

ただし、実際に肺の機能:1秒量、1秒率、最大吸気圧が改善するかというと、いずれもtripod positionと臥位とで変化なし(Indian J Chest Dis Allied Sci 2009;51:83)

というお話でした。

では、さらに呼吸補助筋をより多く使える姿勢がないかというと…

四つん這い(four-point kneeling)

が1つの可能性としてあるようです。

四つん這いになると腹横筋や内腹斜筋に加えて、腹直筋や外腹斜筋をCOPD患者は使うようになるとのこと

(Respiratory Physiology and Neurobiology 2017;238:14)

実際に四つん這いで(より多くの呼吸補助筋を導入する結果)

呼吸機能が改善するかまでの調査は

調べた範囲ではありませんでしたが、

患者がその姿勢を好んでいれば、試す価値はある…

じゃなかろうかと個人的には考えました。

なお、この四つん這いは

急性腰痛症でも患者に優しい可能性があります。

急性腰痛症の原因の一部に、椎間関節のトラブル(微小な位置異常、ロッキングなど)があるとされています(日本腰痛会誌2005;11: 45)。

その椎間関節ロッキングのリリースのため、あるいは、椎間関節由来の疼痛が出づらい姿勢として四つん這いの可能性が紹介されています( Manual Therapy 2001;6:116 )

現実的には追加の医学処置がしづらいなどの問題はありますが、

ユニークな選択肢かとは思い今回ブログに書いてみました…。

現場の救命士さんの意見も聞いてみたいところですね。

日々是勉強!

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