救急隊の搬送姿勢を科学する②
管理人の出張&連休で
しばらくブログをお休みしていました。
本日から通常運営です!早速張り切ってやっていきましょ!!
さて、今日は救命士のボディメカニクスの話の続きです。
主には救命士…もそうですが、
意外にインホスのスタッフも腰痛もちは多いので、
その意味で研修医や看護師なども
知っておいて損はないかと思います。
さて、救命士は過酷な仕事だと思いますが、
その一例として傷病者の搬送が大変で、
腰痛などになりやすいというお話、、その続きです。
今はその腰痛予防/対策として
救命士のトレーニングの一環とで
搬送の姿勢をボディメカニクスに結びつけて学ぶ
ということがされているとのことでした。
ボディメカニクスって何?
という方もいらっしゃると思うので、簡単に紹介すると…
ボディ:body=体、メカニクス:mechanics:力学
を合わせた言葉で
人間の体の動きに、力学の原理を応用して、小さな力でより安全・効率的に体を使うための技術です。
結果として、腰痛などのトラブルを避けることにつながります。
特にこれらの話は2000年代前後から普及しはじめ、特に介護の世界でその教育がより浸透しているようです。
さて、改めてそのボディメカニクス
ポイントをまとめてみると、
①基底面(持ち上げるものとの接触面)を広くとる
②重心を低くする:例)膝を曲げる
③体を密着させる:遠いところから持ち上げようとしない
④大きな筋肉を使う
⑤てこの原理を使う
のが主だったところです。
(本によってはもう少しこまかくポイントを記載しているものも)
ここでは体を密着させるを例に、
如何に普段「腰」を私たちが酷使しているかをみてみましょう。
このページでは高校物理で習ったモーメントを使って、
モノを持ち上げるときの
腰への負担の考え方が記載されています。
このブログでは詳細は避けますが、
体重70㎏程度の方が、16㎏のものを体の重心から20cmほどずれたところから腰を30°傾けて持ち上げようとすると、
椎間板にかかる負荷は250㎏以上とのことです。
椎間板が圧縮に耐えられる許容範囲は年齢により決まっており、60代では2300N≒230kg強程度とのこと。
つまり、上記の条件でも60代の方だと急性腰痛症になってしまうかもしれない状況です
(なお、腰痛の世界ではひとまず、椎間板への負担の目安として3400N以下にとされているようです。こちらを参照あれ。。)
では、腰痛を避ける≒椎間板への負担をは減らすには…というと、
持ち上げる荷物のモーメントを小さくするする必要があり、
モーメントは重さ×重心までの距離で、当然重さは変えようがないので、(体の)重心までの距離を近づける=体を密着させて運ぶ
という結論に行きつきます。
管理人も勉強すればするほど、
腰への負担が心配になってきました。
私も体をいたわろーっと
日々是勉強!