ERでの挿管はRSIでやりたいね
ABCの安定を極めると称して、お送りしています気道管理シリーズ
いざ、挿管の手順の解説を進めています。
以前ご紹介しましたとおり、、
藤田の救急総合内科教授:植西先生はワークショップで「サンタ前薬草ww」で覚えろ!と(冗談)
さん:酸素投与
た:体位
前:前投薬
薬:鎮静・RSIなら筋弛緩も
草:挿管
w(草):挿管が適切にされたかの確認
w(草):挿管後の管理
さて、今日は鎮静・筋弛緩を絡めたお話を。
挿管は投薬とそのタイミングの観点からは大きく3つに分けられます
①awake intubation:鎮痛±軽い鎮静(筋弛緩なし)で挿管
②Rapid sequence intubation:鎮静・筋弛緩をほぼ同時にして挿管
③Delayed sequence intubation:鎮静をし、NPPVやHFNCなどで十分に 酸素化した後に、筋弛緩をかけて挿管
この中でERでもっともされる挿管手順はRapid sequence intubation(以下RSI)でしょう
というのは、他の挿管方法と比べて、挿管成功率はあがり、合併症率は変わらないというデータが出ているためです(Int J Emerg Med. 2017 Dec;10(1):1)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5267589/table/Tab4/
蛇足ですが、RSIは諸外国では看護師や救命士でもされており、
(慣れている医師ほどではないが)同様に高い挿管成功率につながっています
(Ann Emerg Med. 2017 Oct;70(4):449)
さてさて具体的な手順はというと…
上記のように、
十分な酸素化、適切な体位をとり、必要ならば前投薬をした状態で
鎮静薬と筋弛緩をほぼ同時に一気に注入し、原則BVMで換気せずに、喉頭展開して挿管
という流れです。
「鎮静薬と言うけど、筋弛緩と言うけど、何をどう使うの?」
というのはまた明日以後に。
日々是勉強!