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プロポ、ケタミン、ミダ?

ABCの安定を極めると称して、お送りしています気道管理シリーズ

いざ、挿管の手順の解説を進めています。

以前ご紹介しましたとおり、、

藤田の救急総合内科教授:植西先生はワークショップで「サンタ前薬草ww」で覚えろ!と(冗談)

これからは完全に研修医、若手医師向けのお話です

(あと数回で薬のお話は終わる予定です、その他の職種の方はしばしお待ちを)

さん:酸素投与

た:体位

前:前投薬

薬:鎮静・RSIなら筋弛緩も

草:挿管

w(草):挿管が適切にされたかの確認

w(草):挿管後の管理

昨日はその中で鎮静・筋弛緩のちょっとしたお話をしました。

そうはいっても、「プロポフォール?ミタゾラム?複数似たような薬があって、どう使い分けるの?

というご質問を先日いただいたので、それに関してお答えしようと思います。

今日は誌面の関係上、鎮静薬に絞ってお話します。

結論は以下の通りです

(ちなみに私見がだいぶ混じっていますことを予めお伝えします)

上記のように、管理人が考える理由をお伝えします。

プロポフォールのメリット

 ①すぐ効いて(脂溶性のためblood brain barrierを早く通過)、すぐ切れる(Annals of Pharmacotherapy 2014;48:62)

 ②禁忌が極めて少ない(古典的には卵アレルギーとされていますが、最近これも疑問視されているようです)

プロポフォールのデメリット

 ①血圧がめちゃさがる;特に脱水、オピオイド使用、高齢者が高リスク(Emerg Med Clin N Am. 2008;26:1043. CJEM. 2001;3:302)

ケタミンのメリット

 ①すぐに効く(blood brain barrierを早く通過)

 ②血圧あげる作用あり 

ケタミンのデメリット

 ①悪夢・せん妄のリスク(過去には前投薬でミタゾラムをすれば予防できそうという話があったが、現在否定的。 Ann Emerg Med. 2000;35:229)

 ②麻薬扱いなので、管理が厳重でアクセスしづらい

ミタゾラムのメリット

 ①健忘作用

 (②プロポフォールに比べると血圧下げる作用はつよくない) 

ミタゾラムのデメリット

 ①鎮静に時間がかかる(最大5分程度)=RSIには不向き(もちろんRSI以外の状況での鎮静薬としては1つの選択肢)。

  ただし、フェンタニルなどのオピオイドと併用すると鎮静まで90秒程度に短くなることが知られている(Annals of Pharmacotherapy 2014;48:62)

  しかし、フェンタニルを使うと、ミタゾラムも含めてどの鎮静薬でもほぼ血圧下がるので、あえて、プロポフォールではなくミタゾラムを選ぶ強い理由ががない(…という私見です)

 ②高齢者、心不全、肝不全だと代謝がかなり遷延する( Manual of Emergency Airway Management. 4th ed. Philadelphia, PA: Lippincott Williams &Wilkins; 2012:242-251. )

というところです。

ミタゾラムいいとこなし?に見えてしまうかもしれません。

個人的には別の使い方があると思ってますが、

それはまた別の機会に

(薬の細かい話ばかりになるとつまらなくなってしまう?!ので)

明日は筋弛緩薬の細かいところをお伝え予定です。

日々是勉強!

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