耳?指?それが問題だ
昨日からの続き…
先日、プレホスとの議論にあがった
「低血糖を疑う際に、どこで血糖測定するか」です。
鉄は熱いうちに打てということで記載します。今日の主なターゲットは救命士ですが、是非研修医や看護師にも知ってほしい話題です。
今日は
「②血糖測定するときに、医学的には耳朶でもOK。ただし、メリット、デメリットを知っておくべきです。(もっというと医学的には耳朶・指以外にも器具によっては血糖測定できるものもあります)」を掘り下げます。
さて、シンプルにメリット・デメリットをまとめます…
耳朶での血糖測定のメリットは、痛みが少ない(特に親指に比べて)(BMJ 2000;321:20)とされています。
確かに頻回の血糖測定は「痛み」が馬鹿になりませんもんね(もっとも、患者さん自身がやる「自己」血糖測定で、耳がやりやすいかはやや疑問ですが…)
一方、デメリットは、針刺し事故が多いです。刺す場所によってはランセットが貫通?したりなどがあるよう。実際、厚労省から2010年3月に注意喚起が出ています。
そういう背景もあってか、インホスの現場で、耳朶での血糖測定は減少傾向にあるようです(高知学園短期大学紀要 2010;41:65)
あと、もう1つ以外に知られていない特徴の1つ:耳朶も血糖値の変化は静脈血や指尖の毛細血のそれに比べてタイムラグが出る可能性があるようです。食後30-60分は、指尖部よりも耳朶の血糖値は低くでるという報告が出ています(International Journal of Scientific and Research Publications. 2015; 5: 461)
プレホスでの血糖測定は、
その地域のプロトコールに沿うのが前提です。
その前提で、もし耳朶で測れる場合は…
①針刺し事故に気をつけ、
②食事時間を聴取した上で測定が無難
明日は、それ以外の血糖測定や、簡易血糖測定のピットフォール:偽性低血糖についてお話します。
お楽しみにー
日々是勉強!