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AEDの弱点、それは?

*注!今日は4/1ですが、エイプリルフールは何処吹く風で、まじめに真実に基づいたブログ情報をアップします。皆さん、ご安心を!

新年度スタート、皆様いかがお過ごしでしょうか?

管理人も新年度になり、部下が増え、環境がチョイ変わり…、やらねばならぬことが満載で…

でも、このブログは、原則「平日毎日更新」を目標に頑張ります。

さて、今日もつい先日に救急隊ほかと話題になったものをつらつら書いていきます。

ずばり「道路でゆれるときのAED波形診断」についてです。

ターゲットは救命士です。

さて、結論から言います

走行中のAED解析能は落ちる=工夫が必要

AEDは感度を偽性にしている

ご存知の方も多いと思いますが、AEDはAHAなどの基準に合致するように、波形診断はVf/VTの感度を落として、特異度をあげています。(感度86%、特異度99%以上)( 日救急医会誌 2009;20:361 )

平たく言えば、非除細動波形で間違って除細動しないような設計が徹底されているといえるでしょう。

実際、とある機種のAEDでは除細動がかかる基準として

①振幅>0.1mV,

②波形が120-600回/分(2-10Hz) 

③1秒以上のフラットな部位なし 

④4秒間にQRSなし

をすべて満たした場合となっているそうです( 日救急医会誌 2009;20:361 )

結果、細かいVf(fine Vf)やVfの波形が早い(600回以上)場合には除細動がかからない

ペースメーカー(spikeをQRSなどと判断?)ありのVfでうまく除細動かからない( 日救急医会誌 2008;19:1047)

などの報告が立て続けにされています。

(マニュアル式除細動器に慣れている&Vfでの早期除細動の有効性がわかる医師からすると歯がゆい現実ですね)

走行中はさらにAED解析能は落ちる

さらに、救命士のセッティングで考えてみましょう。

ずばり、救急車内でゆれる、振動が入る状況で、AEDはどうなるか?

残念ながらさらに解析能は落ちるようです。

韓国からの報告ですが、舗装された道路で20-60km/hの速度で走行していても、AED(フィリップス、heartstart)の解析能は著しく落ちる(Resuscitation. 2010;81:457)とされています。

さらに古い報告ですが、救急車のモニター心電図(AEDではないことに注意)は

定速の運転では振動などのノイズは入りづらいが、発進・停車・曲がるときはもちろん、スピードが出るほど、振動のノイズの影響が大きくなるそうです(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-gijyutuka/shyohou2/31/31-13.pdf)

そうなると、市街地の走行はもちろん、

高速道路での走行でAEDの解析に頼りっきりは

現時点では”イケ”てないということになります

(もちろん技術的にいつかは乗り越えてくれるのでしょうが)

じゃあ、どんな工夫をどうしたらよいか?

明日に私見をお伝えしようと思います。

日々是勉強!

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