揺れ、アーチファクトとどう戦う?
救急車でCPA患者を搬送中、波形が本当にVfなのか、車の振動なのか、悩ましいケースありますよね。
特に容易に止まれない高速道路での走行時はつらい…
昨日は「AEDは実際、走行中の解析能はめちゃ落ちる」というお話をしました。
では、どうするか?というお話。
結論から言うと、
明確なEvidenceをもって絶対の答えを!というのは難しいです。
ただ、それでは答えになっていないので、私見を2つ述べます。
自分の眼で意識してQRSを探す
(もちろん判断に悩ましい例も多いのですが)
AEDとは別にモニター心電図をつけて、
自分の眼で振動=アーチファクトかどうかを見分けるというのが1つ目の解決策です。その際のコツとしては、QRSを探す!です。
逆に言えば、QRSっぽいのが見えなければ、意識してVfかもと思って、救急車を止めて判断する勇気が必要です。
アドレナリンの助けを
メディカルコントロールのプロトコール上で、アドレナリンが使える状況であれば、アドレナリンは悩ましいVf?振動?の助けになるかも。
というのは、一般的にVfでアドレナリンを投与すると、Vfの波形がより振幅が大きくなり、粗い大きなVfとなり認知しやすくなるためです。
つまり、(何らかの理由で)車を完全停止できず、振動かVfかの波形診断が悩ましいCPAではアドレナリン投与直後にモニター心電図が波形が大きくなっていれば、Vfっぽいというのも補助的には使えると思います。
これはfine Vfだと思うけど、AEDが除細動してくれないという時にも有効で、実際の症例でも報告されています(日救急医会誌 2009;20:361 )
注!:もちろん救命士は、アドレナリン投与はMCのプロトコールに準じた使用を徹底してください。
日々是勉強!