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96%にとどめおけ!

ABCの安定を極めるシリーズ

B:呼吸を安定する

対象:研修医、救命士でお送りしております。

昨日は、とりあえず酸素の時代は終わった?!

というお話しでした。

じゃあ、具体的にどうしたらよいの?というお話しです。

96%が上限

https://www.bmj.com/content/363/bmj.k4169

私がとやかく言う前に、このサイトをご覧あれ。(英語ですが…)

ここにもあるように、

一部の例外(一酸化炭素中毒や群発頭痛など)を除いて

急性期疾患のほとんどはSpO2 96%以下が望ましい

という強いエビデンスがあります。

もう少し中身をみると、

97%以上に保つ場合と96%以下に保つのを比べると

96%以下群の方が、死亡率が低く、院内感染症や入院期間などは差がなかった

とのこと

急性冠症候群や脳卒中はさらにシビアに

上記の話は多くの急性疾患ですが、

急性冠症候群や脳卒中ではさらに酸素投与は制限すべき可能性があります。

少なくとも93%以上あれば酸素投与不要というのは強いエビデンスで、

90-92%でもたぶんいらないだろうという弱いエビデンスです。

これも脳卒中の場合は、酸素制限群で死亡率が低く、

急性冠症候群では酸素制限群で6ヶ月後の再狭窄による再治療率や6-12ヶ月後の心筋梗塞再発率が低い

というものを根拠にしています。

要は急性冠症候群の初期治療で習った”MONA”の1つである

”急性冠症候群でのとりあえずの酸素”は、見直しをする時代に入ったというわけです。

大事なことなので、ポイントをまとめます

研修医の先生方は

①病棟指示でSpO2 96%なら酸素下げる指示を入れる

 (ただし、例外は一酸化炭素中毒、群発頭痛、気胸の時)

②急性冠症候群や脳卒中の患者の病棟指示ではSpO2 89%から酸素開始の指示

以上を指導医に確認の上、指示を入れる

是非、救命士には

①急性期疾患の多くは、SpO2 96%以上にしない

 (ただし、例外は一酸化炭素中毒、群発頭痛、気胸を疑う時)

②急性冠症候群や脳卒中疑いでは酸素は制限するくらいの気持ちで、SPO2 90%あれば多分OK

以上を、(波風たたないように)これらを搬送先のDrに確認して実施する

というところでしょうか。

さてさて、明日以後は酸素投与のデバイスについて皆で振り返っていきます。

日々是勉強!

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