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まずは触ってみよう、HFNC

ABCの安定を極めるシリーズ。

ここ連日、呼吸でネーザルハイフロー(以下HFNC)のご紹介をしています。

今日も対象は主に研修医、ICU/HCU看護師です。

(救命士やER看護師はふーんと眺めてもらえれば結構です)

さて、昨日までの復習です。

HFNCは文字通り、鼻からの高流量酸素システムで、

メリット:QOL↑、FiO2設定、(副次的にちょっとの陽圧) 

と謳われています。

ただ、一方で

このメリットを最大限享受できるエビデンスある使い方は?と問われると

①抜管後関連:早期抜管や再挿管時の予後が悪いと想定される重症例での抜管後の酸素投与法

で、他に、もしかすると…

どうしても挿管したくない/できない(家族が挿管希望していない、CVCIのリスクが高い、呼吸器疾患の末期など)で、粘る際の酸素投与法としても「ちょっと」よいかも…というお話しでした。

挿管前の前酸素化などの効果はNPPVなどに比べても、あまりよいものではなさそうです。

これらのエビデンスを踏まえると

ICU/HCUでの病棟で使うことが多い代物かなーという結論です。

さて、今日は…

HFNCの実際の使い方

…といっても極めて簡単。たった3つのステップです。

Step1

回路の組み立て…といっても、加湿器と蒸留水つなげる、酸素ブレンダーをつなげる…などしかなくて、一度見れば、誰でもできる?!

Step2

鼻カニューラの選択・装着…鼻のプロング(鼻孔に入る部分)のサイズを選びます。3種類ほどあるようです。意外に回路が重たいので、回路の重みに耐えられるようにネックストラップをつけます。

Step3

酸素関連=流量とFiO2設定…まずは流量を設定します。一般的に50L/min(*)で使われます…が、この数字は絶対的なものではなく、目安として吸気にも鼻孔脇からフローが漏れることを手で確認します。その後、Spo2みてFiO2を調節…というお話しです。

ICUのME機器全般、JSEPTCのサイトに極めてわかりやすいまとめがあります。さらに細かく知りたい人はこちらをご参照あれ

(*)なぜ50L/分か?呼吸の30Lルールでやりましたね?一般的に、人間がどのタイミングで呼吸したとしても、投与している気体だけで賄うには、毎分30L程度の気体が必要でした。これは健常人での必要量で、呼吸数・1回換気量が増える呼吸不全患者では、この必要量は最大50L/分程度まで増えるんでしたね?…というわけで、50L/分という目安が出てきます。

どうでしょう?この3つのStepだけなら、私でもできそうって思いません?

触ってみると、親近感が湧いて、苦手意識も克服できる…かも?

まずは病棟で抜管後やどうしても挿管したくないケースなんかに、HFNC試してみませんか?

さて、HFNCウィーク:明日の最終日は、HFNC使い始めたのはよいけれど、漫然と使わない!そんなためのROXのお話しをしてみようと思います。

日々是勉強!

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