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NPPVの協力を得るコツ3つ、言えますか?!

救急にいるなら、皆が極めるべきABCの安定!

3本柱の1つ:呼吸関連シリーズが続いています。

具体的にはNPPV(非侵襲的陽圧換気療法)のご紹介をしています。

今日も対象は主に研修医、ICU/HCU看護師です。

(救命士やER看護師はふーんと眺めてもらえれば結構です)

先日までの復習

①NPPVって、人工気道を使わないから、非侵襲的という名前(=必ずしも患者が楽とは言っていない…)

②NPPVで予後改善のエビデンスがあるのは、心不全・COPD・抜管後など

③NPPVのコツはマスクフィッティングと患者の協力

というお話でした。

さて、今日は患者の協力について。

以前にも記載しましたが、NPPVは人工気道を使わない陽圧換気。つまりは、自分で気道確保ができないといけません。加えて、自発呼吸もある患者でないと原則使用が難しいです。

…なので、基本的に意識がある程度ある患者であるのが必須で、

理想的にはNPPVに協力的であることとされています。

ただ一方でNPPVつける相手は心不全やCOPDの急性増悪などの呼吸不全の患者さん。患者さんは息も絶え絶えで苦しいはず。場合によっては少しせん妄気味かもしれません。そんな時に医療者からろくすっぽ説明なく、変なマスクつけられて、ベルトでぎゅーっとしめつけられたら…、皆さん自分がその立場だったら、どうですか?暴れてマスク外しちゃいそうになりませんか?

NPPVの協力を得るためには「最初が肝心」

皆さんも第一印象で「嫌」「苦手」と思ったもの、それを引き続き対応しないと行けない場合、辛いですよね。例えば、第一印象が最悪の上司の元で3ヶ月研修…。「は~、いやだな~」って辛い感情になりますよね。なんとか最低限のことだけやってやりすごしたいなーってなっちゃいます。もちろん第一印象は変えることはできますが(話してみたら意外によい人だった…みたいな)、変えるのにはかなり工夫が必要です。

これをNPPVで考えてみましょう。NPPVで一回患者さんに「これは辛い治療」と思われたら、かなり今後キツイです。協力が得られにくいからというのは言うまでもありません。どの医療行為でもそうですが、特にNPPVでは、如何に第一印象を良くするかが重要です

では、どうするか?

コツは3つです!

①マスクを当てる前に説明

②最初はヘッドギアのベルトを締めず、医療者がマスクを手でもってあげる(圧迫感の回避)

③設定圧はなるべく低く、その後に漸増(圧迫感の回避)

これをするとしないとでは雲泥の差!

是非騙されたと思って試してみてください。

さらにもう少し詳しく知りたい!という方は、PHILIPSにわかりやすい動画つきの解説があるので、そちらもご参照あれ!

まとめます

A:NPPVは最初が肝心

B:協力を得られるためのコツは3つ:事前説明、手で支えてあげる、低圧スタート

日々是勉強!

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