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CPAP王に俺はなるっ!

重症患者はABCの安定を…

周りの人はさらっとやれている

…けど、実は私…よくわかっていない…

そんな人にお送りし続けているABC安定基本シリーズ。

NPPVをお送りしています。

ここまでのまとめは

①ERでのNPPV良い適応は心不全、COPD急性増悪→要は喘鳴が聞こえる呼吸不全(ただし喘息△)

②NPPVのは最初が肝心

③NPPVはじめ人工呼吸器の極意はA:酸素化 B:換気 C:同調性

というお話しでした。

みなさん、なんとなくイメージは湧いていますか?

さてさて、今日はNPPVのモードについて簡単にご紹介。

欲を言えば、原理を理解すると、さらに楽しくはなる…のですが、

いきなり原理だと”小難しいことアレルギー”を発症するヒトがいるかもしれないので、

今日は極論化して、1:1対応でお話ししていきます

(原理などはまた別の機会でお話しできるといいなーと思ってます)

モード選択は事前のガスでのCO2

A:二酸化炭素たまっていない→CPAPモード(酸素化だけ)

B:二酸化炭素がたまっている→S/Tモード(酸素化と換気の改善)

今日は紙面の関係上、特にCPAPについて語ります。

CPAP王に俺はなる!

…なんかの漫画の名台詞のようですが…、それはさておき。。

CPAPでは基本的にEPAP(=PEEP)と吸入酸素濃度(FiO2)の設定だけです。

とてもシンプル!!

どちらの項目も酸素化を改善しますが、

患者がなれるまではEPAP:4 FiO2:100%が無難です。

その後になれてきたら、EPAPをあげていき、FiO2を下げていきます。

…というのも、FiO2は高い状態が続くと死亡率が上昇する傾向が近年疫学レベルでも示されていますためです(Lancet Respir Med 2017; 5: 180)その機序としては吸収性無気肺、高濃度酸素で肺に炎症、非心原性肺水腫が生じうるなどが知られています。いずれにせよ、「酸素は諸刃の剣」というイメージは持っていてほしいところですね。

そのためEPAPを高めにしつつ、FiO2は下げたい所なのです

…が、前回お話ししたように、

急に高い圧だと患者さんが慣れずに抵抗感を示し、失敗

…ということになりやすいため、

最初はやむなく圧低め、慣れたら圧をあげていく…そんな感じです。

じゃあ、ちなみに圧はどこまであげられるか?

一般的に最高気道内圧が15-20で食道が開いてしまう

=胃に空気が入り始める→トラブルの元

なので、一般的にEPAP:10+α程度

(後日お話しする、S/TではIPAPを最大でも14-15程度)にすることが多いです。

さて、ではEPAPやFiO2を調節して、酸素化を改善。では目標のSpO2は?

そう、以前このブログでもご紹介しましたね。

SpO2は96%を超えないように管理するんでしたね (BMJ 2018;363: k4169)

高すぎるSpO2は死亡率をかえって上げてしまう…というお話しでした(こちらのBMJにはわかりやすいまとめ図つき!英語が苦手な私でもわかりやすい)

まとめます

①NPPVのモードは血ガスのCO2で選択。CO2たまってなければCPAPモードで

②FiO2100% EPAP:4が無難。その後EPAPあげて、FiO2さげて…

​ (高すぎるFIO2は死亡率を上げる傾向)

③目標はSPO2 96%以下(高すぎるSPO2は死亡率上げる)

P.S.こうやって結論眺めてみると、酸素って諸刃の剣って本当に実感しますよね。

日々是勉強!

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