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新シリーズ 高齢者救急

新シリーズ 高齢者救急

長期間にわたる"ABC安定シリーズ”を終えて、

これからしばらく(どこまで続くかは管理人の”ノリ”具合なので、不明ですが…)

高齢者救急について、みなさんと知見の共有をしつつ、色々考えていくということをしていきたいと思ってます。

これは、現場の最前線の救命士さんはもちろん、研修医含めた若手医師、ERだけでなく病棟の看護師、その他の大勢の方々…皆さんに読んでいただければと考えています。

1発目の今日は、

「なぜ、いま、高齢者救急?」

端的にいって、

需要はめちゃくちゃある、けれど、供給が全然できていない。

需要はある。けれど、多くの(医療者含めた)関係者が”面倒くさい” と思いがち

(プロ意識に問題があり、本当はあってはいけないことですが、でも実情…)

…などなどの、ギャップがめちゃくちゃある領域だからです。

データで語る高齢者救急

印象論だけでなく、少しデータで語ってみましょう。

例えば、総務省のH29年のデータ

http://www.soumu.go.jp/main_content/000538159.pdf

2年前のデータですが、

H29年は573万人が搬送されており、これはH10-11年ごろの1.5倍です。

どんどん搬送患者の件数は増えており、

その大半(64%)が急病(≒内科疾患)での搬送です

(個人的には8%以上を占める転院搬送も気になりますが…)

しかも搬送された方の年齢の内訳をみると58.8%が高齢者

要は、

救急やるには、内科疾患が、高齢者が診れなければやっていけないのです。

さて、少し視点を変えてみましょう。

皆さん、学生時代のペーパーテストを思い出してください。

効率よく点数を取るにはどうしましたか?

…そう、よく出る問題から勉強しませんでした?

同じように、

救急を滞りなく運営するには、

最も頻度の多い、高齢者・内科救急に焦点を当てざるを得ないはずです。

でも、不思議なことがここで1つ。

お医者さんならわかると思いますが、

日本の診療科で「老年科」(英語でいうgeriatrics)ってあまり聞かないですよね?子供に特化した「小児科」はあり、今の研修医は小児科は必ず経験します。でも、高齢者に特化した科はほとんどなく、その経験・トレーニングってびっくりするほどされていない方がほとんどでは?

「え?高齢者診療に専門性は必要ない?」「誰でも看れる?」

いえいえ、それは全くの誤解です。

(その辺りの詳細は後日に…)

どうでしょう。ニーズはある。手を付けないといけない。

でも実情、供給するにもそもそもちゃんとトレーニングされてない…

そこは皆さん共感いただけたでしょうか?

そんなわけで、

老年科(高齢者)×救急という視点でしばらくシリーズお送りします。

明日からをお楽しみにー。

日々是勉強!

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