”高齢者なんか様子変”の代表格!
近年増加傾向の高齢者救急。
みんな、適当にさばいているから…
で、思考停止していませんか?
新世代総合内科のデータでの語り口を元に
学びを深めましょう!というのが本企画。
さて、今日は高齢者診療の悩ましい代表格。脱水についてです。
まず、高齢者の脱水はとても多い!(UpToDateより)
特に梅雨が明けた夏の時期には急増しますよね!?
もちろんこれには理由があり…
①食事が不安定になりやすい
②口渇刺激が弱くなる(から自発的に飲まなくなる)(Health and Aging13.2 (2009): 150-157.)
③そもそも予備能がない=高齢者は体重に比しての総水分量が少ない(筋肉よりも脂肪の方が水分含有が少ない、高齢者は筋肉が減って脂肪が多い)
(UpToDate)
では、どうやってみつけるか?
これも結論から言うと悩ましいです!
「家族がなんか変」が唯一の症状のこともしばしば。
具体的に高齢者の脱水症状を紐解くと…
舌の乾きなどの乾燥症状も確かにある
…が、脱力、混乱、うまくしゃべれないなども特徴(The Journal of emergency medicine10.3 (1992): 267-274.)
んー、いわゆる「よくわからない主訴」で、事前に当たりをつけづらいですね、特にプレホスの人にとって。
しかも、先述の通り、脱水は多い=事前確率は高いという状態です。
つまり、問診や身体所見でも簡単に除外できない(∵そんなに感度は高くない)
なので、家族が「なんか変」というのであれば、ある程度採血検査などに頼らないといけないところがある…というわけ。
さらにいえば、脱水は通常「何かの結果」です!
つまり「多くの場合、脱水になるようなきっかけが隠れているはず」というわけ。
んー悩ましい&難しい、高齢者の脱水って…
今日のポイントを簡単にまとめます
①高齢者の「なんか変」は脱水もよくある。
②問診・診察だけで簡単に除外できないため、やむなく検査に頼らざるを得ないこともよくある。
③脱水は原則「結果」!原因をさらに探せ!
さて、今までの高齢者のよくある疾患を見てきました。
明日以後それらを統合して、私の考える高齢者救急のアプローチをお伝えします。
日々是勉強!