Dr-Sのシンプルルールをご紹介
以上、数回に渡って、
高齢者診療の頻度の多い徴候を「因数分解」という名の元、
詳しく解説をしてきました。
総じて言えば、
高齢者は①脳 ②心 ③肺 ④腹部 の内科疾患どれもまんべんなく多く、
どれも非特異的症状になりやすい
じゃあ、どうすんだ!というお話
そこで今日は
Dr-Sのよくわからない”高齢者の元気がない、なんか様子変”のシンプルルール
をご紹介します。
Dr-Sのシンプルルール
0:前提=介護者の「心配」を無下にせず、信じる!
①介護者と問診、診察。
②除外すべきは脳卒中・CSDH、感染症(特に肺、尿路、胆道)、ACS・心不全、脱水、急性腹症
→ 問診・診察で疑う所があれば絞って検査へ
絞れなければ、頭部CT・採血/血ガス・尿検査・ECG・エコー(肺・心・腹部)はせざるをえない。エコーに自信がなければ胸部・腹部レントゲン
③胸腹部のCT(必要に応じて造影)はVitalが崩れている or 上記のスクリーニングでひっかかる場合には積極的に考慮
どうでしょ?
もちろんどうしても検査の数が増えてしまうというのは正直悩ましい
…のですが、高齢者にどうしても検査費用が増えてしまうのは米国はじめ、どこも同じような事情のようです(Ann Emerg Med.1992; 21: 802 )
もちろん検査が少なく診断できるに越したことはありません。ので、問診・診察の段階ですでに強く疑われる疾患があればその疾患を中心とした検査に絞って、検査乱発せずにすむなら、よりそちらのほうがスマートです。
このシンプルルールを片手に診療すれば、皆さんの高齢者救急の苦手意識は少し和らぐ?
簡単にまとめます
Dr-Sのよくわからない”高齢者の元気がない、なんか様子変”のシンプルルール
0:前提=介護者の「心配」を無下にせず、信じる!
①介護者と問診、診察。
②除外すべきは脳卒中・CSDH、感染症(特に肺、尿路、胆道)、ACS・心不全、脱水、急性腹症
→ 問診・診察で疑う所があれば絞って検査へ
絞れなければ、頭部CT・採血/血ガス・尿検査・ECG・エコー(肺・心・腹部)はせざるをえない。
エコーに自信がなければ胸部・腹部レントゲン
③胸腹部のCT(必要に応じて造影)はVitalが崩れている or 上記のスクリーニングでひっかかる場合には積極的に考慮
明日以後は、高齢者を帰すに配慮することをお伝えします。
「いよいよ重篤な疾患は確かになさそう。はい、帰宅~、え、帰宅したくない?!いやいや、軽症なのでかえってもらいます!!」で家族と一悶着したことがある若手医師いませんか?そんな医師は必見です。
お楽しみに~
日々是勉強!