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ER巨匠の老年救急パールを

数回のシリーズに渡ってお送りしてきました

老年救急。

みなさん、いかがだったでしょうか?

①重篤な疾患が混じりやすくなるが、一見軽症 or 非典型的になりやすい

②帰宅させる際には現在の認知機能やADL,介護状況などの評価が必要

③(①②の対応を失敗し)トラブルになりやすい

④(③だからこそ、)先手を打つために接遇・環境改善を

こういった点をあれこれお伝えしてきました。

今日で老年救急シリーズも最終回。

最終回は、ERの巨匠たちのTIPS、クリニカルパールをお伝えして

終わりにしようかと思います。

いわずとしれた本邦の救急診療の大家:太田凡先生が、

同じく巨匠である寺沢先生の高齢者診療の心得を一部改変して

以下のように老年救急の心得を紹介してくださっています。

(日内会誌 2014; 104: 526)

①高齢者に敬意を払うべし

②診察中に家族を同席させるべし

③主訴・症状・身体所見の不確実性に注意すべし

④最初の症状、症状の移り変わりにこだわるべし

⑤既往歴・治療薬を押さえるべし

⑥外傷は常に疾病先行の可能性を考慮すべし

⑦バイタルサイン・モニター・経過観察の重要性を認識すべし

⑧専門医へのコンサルテーションは空振りを恐れるなかれ

どうでしょう、巨匠たちのパール。

とても示唆に富みますね

そして、結果的に、私:管理人の主張とほぼ重なってますね、自画自賛。。

さて冗談はさておき、

ここからがポイントです。

人間、短期記憶で覚えられる量、そこから実践できることには限界があることが心理学的・脳科学的に証明されています。

”マジックナンバー”として知られ、最近は4±1がひとまず覚える限界量

とされているようです( https://uhuru.co.jp/mclab/marketing/psychology02/)

そのため、8つ全てを実践するのは難しいかもしれません。

是非、みなさんのなかでさらに、

「これはすぐやったら効果が大きそう」というのを

数個さらに絞って実践するのが大事です。

…というのも、残念ながら、知っただけでは意味がない。

行動に移してこそ初めて意味を成す!と私:管理人は強く感じています。

このブログでは皆さんに色々観点で共有したい情報をお伝えすることはできますが、皆さんの行動を直接変えることはできません。

イギリスのことわざに

”You can take a horse to the water, but you can't make him drink”

「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」

というものがあるのだそうです。

現在、暗黒期?の日本の老年救急。

それを変えるには、皆さんお一人お一人のちょっとした行動変化

だと私:管理人は思ってます。

是非、今回のシリーズでみなさんの行動の何かが変わればと

切に願ってやみません。。

日々是勉強!

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