システム1を活かした勉強資料?!
新シリーズ
プレホスにこそ独自のエビデンスとその配送ラインを!
~Prehospital Evidence Based Practice~
の導入編をお送りしています。
より多くの日本全国の救命士さんに届けたい!!
そんな熱いパトスをもって始めています。
どうか皆さん、どんどん拡散してください。
さて、昨日は
4.Available すぐに利用できる
の部分に「アルゴリズムや文字多い文章という使いづらい形」という穴が空いている問題点を図を使って説明してきました。
さて、では今日からだんだん核心に迫っていきます。
システム1ベースの勉強資料があってもいいんじゃない?
昨日の図の復習です。
この問題の私なりの解を皆さんとシェアしていきますね。
このトレードオフの関係には、
バイアス、ある「前提」があることに気が付きました。
これって、「プロトコールは、文字を使って説明すべき」という前提です。
そしてその結果、システム2で思考するものという前提にたっています。
さて、果たしてそうでしょうか?
その前に1度”システム2”などの言葉の復習をしてみましょう。
人間の判断の方法には
システム1:直感とシステム2:論理的があるとする仮説:
Dual process theoryが、
現在心理学・脳科学の分野では一般的です。
(https://pbs.twimg.com/media/DhlejXDU8AArQr6.jpg:small より引用)
簡単な計算やざっと概略を掴むなどの思考、直感はシステム1:『速い思考』
対して、
集中力を使い、大勢の中から人を探す、論理的に物事を考える等はシステム2です
「遅い思考」とも言われます
なお、人間の判断のほとんどはシステム1が担っており、
システム2はシステム1では解決できない時に対応することが一般的。
(そうでないと、毎回の判断を常に論理を構成して、論理展開しながら判断なんてしてたら、疲弊しちゃいます。脳はうまくできていますね)
そしてこのシステム1の能力:直感はなかなか驚異的です。
その科学的な具体的例をご紹介してみましょう。
みなさんは”直感は9割あたる”という話は聞いたことありますか?
実はこんな有名な実験があります。イスラエルのテル・アビブ大学のM.Usherらの2012年の報告です(Proceedings of the National Academy of Sciences, 2012; 109 (24): 9659)人間の直感力の正確性を見る実験で、コンピューターのスクリーンに右と左で違う2つの数字を連続して映し出し、左右の平均値が高い方を選ぶよう被験者に伝えました。数字が映される時間は極めて短く、計算して平均を出すのは不可能。そのため被験者は直感に頼らなくてはいけないのですが、結果は6セット24セット終了時で90%の人が正解したというもの。
(Youtubeでこれを模したものが落ちてました。試してみると面白いですよ。ちなみに確かに私も答えは直感で選びましたが、正解でした。へー。)
もちろん、これは数字の概略を捉えるという簡単な実験なので、
日常生活の取捨選択・判断にすべてこの精度というと
語弊があるとは思っています。
…が、ただ、意外に?いや、思った以上に
システム1ってすごい可能性を秘めているんだなーと感じませんか?
この直感に働きかけるような勉強資料づくりができないか?
というのが私が今回お伝えしたいことの大きなメッセージの1つです。
実際、身の回りを見渡してみれば、
携帯電話の説明書がその典型ではないでしょうか?
ガラケー時代の取説って、めちゃめちゃ文字が多くて、図が少なく、読むの大変じゃないですか?(実際、私は読んだことありませんでした)
最近はiphoneはじめ、多くのスマホは図や絵が多様されている、1枚で見渡せる、概略が把握できるそんな取説になっていません?
まさに、
ガラケー型取説からスマホ型取説へのパラダイム・シフトが、プレホスの教育でもできるのでは?という提案なわけです。
「いやいや、医療でそれは無理でしょ」
とおっしゃるあなたに。実は医療の世界でもこの動きが実はちょっとずつ出始めています。その当たりをご紹介していきますね。
プレホス独自のエビデンス・教育環境確立を願って。
日々是勉強!