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敗血症にはプレホスでこそ早期輸液を

救命士さんをターゲットに、

(一部若手医師やER看護師も視野に)

プレホスにこそ独自のエビデンスとその配送ラインを!

~Prehospital Evidence Based Practice~

ということでお送りしています。このシリーズ。

プレホス×敗血症

を数回にわけてお送りしています。

昨日は、敗血症疑うポイントであるqSOFAのご紹介をしました。

今日は、敗血症におけるプレホス独自のエビデンスをご紹介です。

具体的に「早期補液の重要性」です。

血圧下がりだした敗血症は早期にプレホスで補液を

以前もちらっとご紹介しましたが、

JAMAという雑誌にこんな興味深い論文が出ています。

( JAMA network open 2018; 1.8: e185845-e185845.)

これは、プレホスですでに低血圧傾向の敗血症。これをプレホスから点滴することで死亡率減少するというものです。

以前もご紹介したように、

敗血症は適切な処置をしないと死亡率が高い疾患で有名です。

(死亡率は10-28.4%( JAMA 2014; 312: 90))

これがプレホスで早期に点滴しはじめると、患者さんの死亡率が下がるというなら、プレホスでも頑張りがいがありますよね?!

あくまで大まかな目安ではありますが、収縮期血圧110mmHg程度以下からの敗血症疑いは早期に補液すると恩恵がありそうです。

ただ、ここで救急隊の方のひっかかるところは

「点滴は増悪するショックの時にしか特定行為としてできない」だと思います。

そのため、個人的には以下のように考えています。

オンラインMCに

①qSOFAから敗血症が疑われること

②普段の血圧を確認し、(通常100~110mmHgは普段の血圧からはだいぶ30-40下がっている可能性が高いので)普段の血圧と比べて、だいぶ下がっている状態で現在血圧◎mmHgである

③①・②から増悪するショックの可能性が高いので点滴してもよいか

と相談するのがポイントかと思います。

(地域によっては、このショックの定義は収縮期血圧90mmHgなどのように数値で明確に縛っているところがあるかもしれません。その場合には上記の作戦は使えませんが…、プロトコール改正を信頼のおけるDrに相談し、改正を検討いただくのが個人的には妥当な気はします…)

なお、早期補液のためにラインがとってあると、インホスにとってもすごく助かります。その理由の1つに敗血症は通常覚知から1時間以内に抗菌薬投与が望ましいとされている点があります。

これを達成するためにルートがあると時間短縮につながりますので。。

まとめます。

プレホスで敗血症疑いは収縮期血圧110mmHg以下から早期に補液することで死亡率がさがる恩恵がある

地域のプロトコールに反しないようにしつつ、うまくオンラインMCから許可をもらって早期に補液開始を

さて、このブログですが、明日8/10~8/18までお盆休みとして

ブログもお休みを予定しています。

次回更新は8/19(月)予定です。お楽しみにー。

日々是勉強!

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