敗血症でも無駄な酸素はやめよう
救命士さんをターゲットに、
(一部若手医師やER看護師も視野に)
プレホスにこそ独自のエビデンスとその配送ラインを!
~Prehospital Evidence Based Practice~
ということでお送りしています。このシリーズ。
プレホス×敗血症
を数回にわけてお送りしています。
さて、今日は先日UPした敗血症アプローチ@プレホス
の一部解説をしていきます。
無駄な酸素は敗血症でも害である!
以前もこのブログで無駄な酸素=SpO2>96%以上は、却って「害」ということをお伝えしました。それは「理論上」ではなく、実際に疫学データとして出ており、この数年でガイドラインや総説の文言が変わり始めています。
当然、敗血症でも同様ですよ!というのが今日のお話です。
具体的には、いずれもインホスのデータではあるのですが、
ICU入院する敗血症性ショックで人工呼吸まで要する患者。
propensity matchした観察研究(まぁ、細かい手法はおいておきましょう。。)で
PaO2>150(≒SpO2 99-100%)にして管理していた群は28日死亡率が高かった(OR 1.59, p=0.02)(Am J Emerg Med 2019; 37: 56)
なんてデータが出ています。
これからも
敗血症でも無駄な酸素は害になるのはおわかりいただけるかと思います。
じゃあ、96%の上限はどこから?と言われると
敗血症に特化した研究は見つけられませんでしたが、
他の急性疾患(CO中毒など一部除く)では
97%以上に保つ場合と96%以下に保つのを比べると
というデータがあり、96%を上限とすることが推奨されています(BMJ 2018;363:k4169)
どうでしょう。
無駄な酸素、費用がかさむばかりか、患者に害にすらなる…
見直したくなりませんか?
日々是勉強!