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アナフィラキシー×プレホス

救命士さんをターゲットに、

(一部若手医師やER看護師も視野に)

プレホスにこそ独自のエビデンスとその配送ラインを!

~Prehospital Evidence Based Practice~

ということでお送りしています。このシリーズ。

今週からは新シリーズを始めます。

さて、何のシリーズがいいかなーと漠然と考えていた時に、

救命士さんたちが比較的よく遭遇する or 特定行為に絡むこと

で、かつ、現場にもやもやが残りやすいものがいいかなーと考えました。

その意味で個人的には「アナフィラキシー」と「低血糖」がよいかなーと注目。

そんなわけで今週からしばらく数回にわけて

アナフィラキシーでのプレホスでのピットフォールや、実はプレホスで出ているエビデンス、プロトコールにはあまり書いてないこと

…などなどを解説しつつ、

最終的には図解を目指します

他にも、これを扱ってくれ!というご要望があればぜひぜひこのブログの質問欄などからどうぞー

今日はその中でも

”アナフィラキシーってちゃんと診断されてない例多いかも?”をご紹介

意外に医者ほどアナフィラキシーをちゃんと診断できない?

救命士さんにとっては意外かもしれませんが、

アナフィラキシーをちゃんと診断できず、結果アドレナリン(=エピネフリン)

を投与できないというケースが実は結構あるかも…なんだそうなんです。

(ひっそりとこのブログを読んでくれている若手Dr!!

 一緒に襟を正しましょう。。)

今回ご紹介する研究はアメリカの小児科のデータなのですが、1130名の米国の小児科医をランダムに抽出し、食べ物でのアナフィラキシーの症例シナリオをみて、診断やその初期対応などについてアンケート形式で答えてもらうというものです(Pediatrics 2006; 118: e554)

結果、468名から回答があったのですが…その中身が実はさんさんたる結果。。

正しく「アナフィラキシーと診断」は70%、

「アナフィラキシーと診断」+「アドレナリンの筋注」を選べたのは、全体のなんと56%しかいなかった

(Pediatrics 2006; 118: e554)

個人的には、これでも過剰評価気味にバイアスかかってるかも?と疑ってます。

医師の資格維持が厳格な米国という場、アンケートに答えてくれるのは臨床に比較的真摯に対応している人たち(≒優秀な人?)と想定されるからです。

日本の内科医・救急医でやると、もうちょっとひどい結果になる…かも…

確かに実経験でも似たようなことがあります。

若手の医師に「蕁麻疹出て、喘鳴がありましたが、ショックには至っていなかったので、”アナフィラキシーショック”には至っていなかったと判断して、”アドレナリンはむしろ有害だと思い”、ステロイドだけいっておきましたー」って報告されたこと、1度や2度ではありません。

(上記は大きな間違いが複数含まれています。その詳細は後日解説で)

…ということで、今日は

アナフィラキシー×プレホスとして

アナフィラキシーの診断は誤解が多く、医者すら正しく診断できないことも

というご紹介をしました。

「で、どう判断するの?」を明日以後取り扱っていきます。

日々是勉強!

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