診断基準を知りつつも:守破離
- 俊一 柴崎
- Aug 27, 2019
- 3 min read
救命士さんをターゲットに、
(一部若手医師やER看護師も視野に)
プレホスにこそ独自のエビデンスとその配送ラインを!
~Prehospital Evidence Based Practice~
ということでお送りしています。このシリーズ。
昨日からアナフィラキシー×プレホスでお送りしています。
さて、昨日は意外に?!医者こそアナフィラキシーを正しく診断していないかも?!
という論文をご紹介しました。
今日は、「で、どうやって診断するのが適切なの?」について
急な蕁麻疹+ABCDが基本
アナフィラキシーの診断は2005年・2006年の専門家でのシンポジウムで診断基準が提唱されています( J Allergy Clin Immunol. 2005;115(3):584. J Allergy Clin Immunol. 2006;117(2):391)
具体的なものは以下の通りです。

アレルギー 2013; 62: 1464 より引用
お気づきのとおり、診断基準にパターンが3通りあるように
アナフィラキシーはいろいろな臨床経過がありえる!
というのが大事なポイントです
(上記の1-3のいずれかを満たすだけでアナフィラキシーと診断してアドレナリン=エピネフリンを投与せよとなっています)
具体的にみていきましょう。
①突然の全身の蕁麻疹(やそれに準じた皮疹)+AirwayやBreathingの異常 or Circulationの異常
②アナフィラキシーを起こしそうな物質に暴露(ハチに刺された、そばを食べた…など) し、突然生じた各種から体の異常2つ:蕁麻疹などの皮膚症状 or Airway/Breathingの異常 or Circulationの異常 or Digestion system(消化器)
③過去にアナフィラキシーを起こした物質に暴露し、急な血圧低下が起こった場合
とされています。
なので、すごーくざっくりいえば、
急な蕁麻疹+ABCDの異常 が診断の基本軸。
ただしバリエーションがあるのに注意! ってところでしょうか
この診断基準を満たさなくても
「疑ったら、アナフィラキシーとして対応を」
さらにいきますよー。
これらの診断基準はたしかによくできているようです。
実際、アレルギー専門医が「これは、アナフィラキシーだ!!」と診断するのをGold standardとするとき
この診断基準は感度97%、特異度82%とのこと(J Allergy Clin Immunol. 2012 Mar;129(3):748)
確かに優秀な診断基準のようですね~
…ですが、同時に、決して100%ではないというところにも注目です
(=この基準は満たさなくてもアレルギー専門医がアナフィラキシーだと診断するケースはありえるということ)
上記を満たさないが、専門医はアナフィラキシーと診断する例として
「過去に重度のアナフィラキシーの既往のある患者が、ピーナッツを食べた数分以内に急な蕁麻疹と顔面紅潮」( J Allergy Clin Immunol. 2005;115(3):584)
なんてのをあげています(欧米ではピーナッツアレルギーが多いようです)
なので、上記の診断基準はもちろん知っておきつつ、
その基準を満たさなくても「何かに暴露し」「突然の症状でつらそう」で、アナフィラキシーかもと疑えば、アナフィラキシーとして対応せよというのが大事。
まとめます。
①アナフィラキシーの臨床経過はめちゃバリエーションあり!:基本は蕁麻+ABCDだが、ほかのバリエーションもあり
②バリエーション豊富さゆえ、上記の診断基準ですら100%ではない。「何かに暴露し」「突然の症状でつらそう」ならアナフィラキシーとして対応せよ!
です。
明日は「それでも陥る?!アナフィラキシー判断のピットフォール」を扱います。
日々是勉強!