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22歳と52歳、破傷風における2つの境界線

普段なら”救命士さんをターゲットに、

(一部若手医師やER看護師も視野に)

プレホスにこそ独自のエビデンスとその配送ラインを!”

と銘打って月・木の平日週2回更新しているこのブログ。

先日の台風19号後の災害の影響を鑑みて、

臨時シリーズ:超急性期をすぎた災害後ER

と題して、災害後(72時間~1週間)ERでの忘れちゃいけないこと

を中心に研修医やER看護師に向けて情報を数回に分けて発信していきます。

さて、先日は

破傷風が如何に怖いか、如何に予防が大事か

というお話をしました。

今日は「じゃあ、予防はどうやってする?」というお話です。

破傷風は予防効果が高い疾患

破傷風はきちんと予防接種していて、外傷時の処理も適切なら

ほぼ100%防げる疾患とされています。

抗体価(≒破傷風を予防する免疫力)は10年程度は持続することが知られており(BMC Public Health 2007; 7: 109)

最後の破傷風の予防接種から基本的には10年、傷の種類によっては5年あれば

まず大きな心配はありません

(逆に言えば、ワクチンを打っても間が空いているようなら10年に1回程度打たないと、破傷風を発症してしまうリスクがあります。免疫力をあげるために定期的に追加接種=ブースターが望ましいとされています)

…ということで、破傷風の予防接種状況を知っておくことが

ER・外傷をみる医師の最低限のたしなみなわけですが、

みなさんはご存知ですか?

日本では1968年から百日咳ジフテリア破傷風混合ワクチン(DPT)の定期接種がスタートしています。現在はDPTの成分に不活化ポリオワクチンを加えた4種混合ワクチン(DPT-IPV)という種類のワクチンで、幼少期に破傷風の予防接種が4回実施するようになっています。そしてブースターとして11~12歳に破傷風混合トキソイド(DT)を打っているというのが現状です。

ここで大事な臨床ポイントは

①1967年以前の方(=2019年現在52歳以上)は原則、破傷風の免疫がない

②22歳以後(12歳の10年後)はブースターとして破傷風の追加予防接種が必要

ということです。

じゃあ、実際どうするの?

一般的に傷における破傷風対策は過去の予防接種歴という軸と傷のリスクという軸の2軸で考えます。詳細は以下のとおりです。

*紙面の関係上、破傷風のグロブリンのことは今回お話できません。次回以後ということでご容赦ください。

これがわかれば、早速今日から外傷の患者さんの破傷風対策はバッチリですね。

今日の標語

52歳と22歳、破傷風対策が変わる年齢ライン。傷の様子であとは判断

日々是勉強!

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