肺塞栓:はい、即、戦略のご参考に!
- 俊一 柴崎
- Aug 2, 2021
- 3 min read
皆さんこんにちは!
茨城県:ひたちの国の田舎か否か、ひたちなかで
内科救急と臨床教育をしている、柴崎です。
さて、好評(?!だと勝手に信じている)のERでの診断エラーシリーズ。
今日は肺塞栓です。
個人的な経験ですが、
研修医1年めに肺塞栓の話をすると
「肺塞栓?別に5 killer chest painでしょ?疑うの難しくなくないですか?」
というリアクションがおおかたです。
ACSと同じような胸を押さえてくるような”突然の重篤な胸痛で来る”というイメージがあるんでしょうね。
ただ、ここがピットフォール。
実際、若手スタッフ以上では
「肺塞栓で苦い経験あります」という人がほとんどのはず。
わかります、わかります。。かくいう私も苦い経験ありました~。
一方で、最近は個人的には肺塞栓で失敗することはほとんどなくなりましたー!
その違いはなんだって?是非、「そのコツ」もご紹介するのでお楽しみにー

痛みが出るとすれば胸膜痛?!肺炎そっくりにも?
「重篤な胸痛のイメージ」という話が先程出ましたが、
実際は「ACSや大動脈解離」のような痛みを訴えてくることは稀だと思います
(個人的にACSを強く疑って、肺塞栓でしたーということは皆無です)
じゃあどうなるかというと?
あるとすれば、肺の末梢が壊死しはじめ(肺梗塞)で、胸膜にまで影響を出すと「胸膜痛」になります。
呼吸すると痛い…という。
そのときに「気胸だけ鑑別にあげて」胸部レントゲンとって、気胸はないね…としてしまうと
ドボンとなるわけですね。
ちなみに、肺の一部が壊死する肺梗塞は「浸潤影」をきたします
…で、こんな感じに。おぉ、肺炎そっくり。。

このあたりは、こちらのブログでとても丁寧に紹介されていますので、こちらをどうぞー
なお、画像だけでなく、症状も肺炎mimicsに肺塞栓(正確には肺梗塞を合併している肺塞栓)になりえて
ん~。悩ましいですね。肺塞栓。
胸膜痛で気胸や、末梢の肺炎を疑っときに肺塞栓を鑑別にあげられるか?!
Onsetもときにだらっと?
肺塞栓の誤解の大きなものの1つに「Onset」があります
「血管イベントなのだから、突然発症になるだろう」と思いきや…
じゃあ、どうするの?→実は王道なし?!
ひっぱってきましたが、
お待ちかね、肺塞栓で失敗しないコツですが…
「なんだ、結局、Wells criteriaかい」と突っ込まれそうですが、
このWells criteriaを食わず嫌いな人ほど、
Wells criteriaはじめ、D-dimerの肺塞栓での解釈の仕方を誤ってる傾向にあると思ってます。
「D-dimer、2.8μg/mL。ちょいあがりだけど、ちょっとしかあがってないから肺塞栓らしくないね」
みたいな誤解会話。あなたのまわりでありませんか?
確かにWells criteria「肺塞栓を他の疾患より強く疑う」など曖昧な項目などもあったり、
「他より疑えたら苦労しないわ!」というツッコミがあるのは百も承知なのですが。。
なお、このへんのスコアリングは、きれいに解説してくれているところが他にあるので
そこからの引用、リンクをご紹介とさせていただきますー


みなさん、いかがだったでしょうか?
「5 killer chest pain」で”ACS likeに来る”と初学者/不慣れな人がおもいがちな肺塞栓
実はいろいろなPresentation:失神、Af誘引、肺炎mimics、嗄声…などなど で来うること
王道なく、正しくWells criteriaなどのスコアリング使ってみようというお話
でした。
即、明日から戦略に使え…ますかね?
さて、もう少し診断エラーシリーズ続けていきますー。
お楽しみにー
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