Tripod positionを考える③
- 俊一 柴崎
- Feb 4, 2019
- 2 min read
今日も搬送姿勢に関連して、Tripod positionのお話です。
(救命士、研修医向けです)
まずは復習
tripod position:手を膝について前傾姿勢の状態
結果、呼吸補助筋が機能しやすい姿勢で、
その結果、呼吸苦を改善する(Thorax 1983;38:595)
他にも上気道の開通を維持しやすい?ということが想定されていました。
救命士さんのテキストでも「起坐位の1亜型」として紹介されていますね
さて、今日は
「搬送しようとしている患者がtripod positionを取っていたら、
どんなことを疑うか?」ということに焦点をあってみます。
先日もお話したように、
小児なら上気道のトラブル:特に喉頭蓋炎をというお話でした。
ただ、成人では喉頭蓋炎であまりこの姿勢をとらないとも…。
では、成人でtripod positionを見たら?

(↑tripodは三脚という意味です、、蛇足ですね…)
そう、
呼吸補助筋を使わないといけないほどの呼吸不全の状態です。
特にCOPDの急性増悪が有名です(もちろん喘息などでもありえます)。
COPD患者もtripod positionを取ると
腹横筋や内腹斜筋などの呼吸補助筋の活動が有意に増える
ことが分かっています。
(Respiratory Physiology and Neurobiology 2017;238:14)
なので、
COPD急性増悪の患者がtripod positionを好んだら、その姿勢で搬送
これは言うまでもありませんが、
では、COPD急性増悪患者が別の姿勢(例えば、臥位)
を好んでいる際、無理にtripod positionに直す必要があるか?
と言われると…
答えは、
他の姿勢を好むなら、無理にtripod positionのする必要はなさそうです。
…というのも、
COPDでは(他の研究で呼吸補助筋の活動量が増えることはわかっているが)
実際に肺の機能:1秒量、1秒率、最大吸気圧が変わるかというと、いずれもtripod positionと臥位とで変化なしという悲しい結果も出ています(Indian J Chest Dis Allied Sci 2009;51:83)
私見ですが、おそらくCOPDはもともと呼吸補助筋を使っており、肺機能を少しでも改善させようとしている状態。なのでtripod positionでの上乗せ効果はあまり大きくないのかもしれません。
まとめると
①成人患者がtripod positionを取っていれば、
COPDなどの呼吸不全を疑う
②患者がtripod positionを好んでいれば、tripod positionで搬送を。
逆に他の姿勢を好んでいれば無理にtripod positionにする必要はない(根拠が乏しい)
日々是勉強!