ABCの安定を極める ~airway⑤~
ABCの安定を極めると銘打って、
ABC managementのコツやエビデンスをご紹介します。
救命士や研修医が主なターゲットです
A: airway 気道 の続きです。
挿管前に必要な物品・確認事項:SOAP-MD
S:吸引の準備
O:十分な酸素化
A:気道を展開するための物品、その他:喉頭鏡、ビデオ喉頭鏡、挿管チューブ、トーマスホルダーなど
P:ポジション
M:心電図&Spo2モニター
D:義歯
の続きです。
今日はその中の1つ:ポジションについて② です
特にramped positionのお話をします。
肥満の人の挿管って難しいですよね。
そんなときの工夫がramped positionです
https://pds.exblog.jp/pds/1/201705/18/18/e0156318_1119624.jpg
実際、ramped positionは肥満患者に限定した場合、
sniffing positionよりよい喉頭展開が得られた( Obes Surg. 2004 ;14:1171)
挿管前の酸素化が良好だった( Anesthesiology. 2005;102:1110)
などの報告があります。
ただし、注意なのは、ramped positionはどの患者でもルーティーンにやる姿勢ではないことです。
平均的な体型が中心のICU患者群で
ramped positionとsniffing positionで挿管のRCT行うと、
ramped positionでは、声帯が見えづらい(Cormack gradeⅢ以上)が優位に増え(25.4% v.s. 11.5% p値:0.01)、
初回での挿管成功率が下がる(76.2% v.s. 85.4% p値:0.02)
という結果があります(Chest. 2017;152:712)。
RCTで証明されているこの意味は重そうです。
日々是勉強!